2008年05月09日

僕の就職活動(2)

(前回とかぶる部分ありますが。)

ある日、なんだかよくわからない、「ファコム・ハイタック株式会社」というところから黄色のDMが届いていたので封を開けてみると、中身は日立製作所っぽいことを書き連ねつつ、ばら色の社会人生活が描かれている。当時は「課長・島耕作」ぐらいでしか電機業界のことは知らなかったんだけど、その「ファコム・ハイタック株式会社」の入社案内には「日本の未来を作る!」ような謳い文句で、

・宇宙ステーション計画
・南極の観測
・遺伝子の解明

などが書かれており、僕は「なんだか凄い!」と思ってしまったのだ。「システムエンジニア」というのもよく分かっておらず、「この会社に入ると、国家プロジェクトの一翼を担って、世界をまたに駆けるに違いない!」と興奮したことを覚えている。さっそくハガキを出してみると、早々に「大学の先輩」なる方から電話が入った。妙になれなれしい。これがリクルーターというやつか。他に何名かR大学から応募があったので、一緒に会おうと言うことになる。なんとその中には同じサークルの友人もいたりしてびっくりすることになるのだけど。

京都駅の近くのホテルで待ち合わせ。こっちは4人。相手は若い先輩2人に、管理職クラスのような先輩が1人。緊張しまくりの僕らに対して、先輩方は「わが後輩たちよ!」のようなテンションで接してくる。「ファコム・ハイタック株式会社」では、一定人数のR大学出身者がいるようで、このおじさん先輩がリーダー格のようだ。いろいろ質問してみるが、核心臭いことは遠慮して言えないのが常。所属は「ファコム・ハイタック株式会社」という、富士通との合弁会社なのだけど、実態は日立製作所の社員なんだ、というようなことは理解できた。先輩たちはそういう話よりも、「いかにすれば面接(いきなり最終)を突破できるか。」のノウハウ授与に頑張ってくれていたように思う。

結局、僕はこの時点でも「ファコム・ハイタック株式会社」が何をしている会社で、富士通と日立の関係がどうで、そもそも僕がそこで何をするのかも、よく分かっていなかった。何より日立とコンピュータというのが、もうひとつ結びつかない。親には、「なんだか凄い会社なんだよ。普通の日立とは違うんだ。なんか、国の重要な事項を任されて仕事をするような、とても日本にとって重要な任務を背負った会社らしいんだ!」と力説していた。選び抜かれたエキスパート集団で、「宇宙開発事業団」のちょっと民間寄り、かつでかいコンピュータ使う・・・。そんな感じで説明した。かなり誤解していたわけだが、この時点ではそんなもの。電話で語気を荒げる僕に、父は、

「パナファコム入るんか。それは良かった」

と言って電話を切られた。違うんですけど。

(つづく)



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